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体育の授業でICTを活用してみたら・・・

2024/12/15子どもと写真

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教育の現場では、タブレット端末などの情報通信技術(ICT)の活用が進展しています。従来の教室での座学だけでなく、体育の授業においても利用が拡大しつつあります。
動画であれば、気になる動きを写真のように一度停止して確認することができます。子どもたちにとっても自分の動きを客観的に見られるのはとても良い経験ではないでしょうか。
(※2024年10月2日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

ICT活用で広がる体育授業の新たな可能性

東京都多摩市にある帝京大学小学校の体育館では、今年6月に4年生の児童16名がマット運動に取り組みました。準備運動を終えた子どもたちは、ステージ上に配置された各自のタブレット端末の前に集まりました。アテネ五輪の体操団体で金メダルを獲得した水鳥寿思さん(44歳)が開発に携わったアプリ「スポテク」を起動し、挑戦する技の手本となる動画が端末の画面上に表示されました。このように、セキュリティーや通信環境の整備といった課題はあるものの、ICTの導入によって考える時間が増え、互いに助言し合う新たな学びの形が広がりつつあります。

ICT活用で深まる学びと協力、体育授業の新たな形を

子どもたちは、それぞれの挑戦する技ごとにグループに分かれ、互いの演技をタブレットで撮影してアドバイスを送り合っていました。教員は、安全に配慮しつつ、技のコツやヒントを提供しながら見守ります。授業の終わりには、その日の気付きや反省をタブレットに記入します。倒立ブリッジに取り組んだ榎本果凜さんは「手が着いたら、足が降りるまで動かさない」と記していました。

タブレット導入で進化する体育教育「ICT活用」で自律的な学びを支援

帝京大学小学校では、2023年度から3年生以上の体育の授業でタブレット端末と専用アプリを活用しています。石井卓之校長は、「アプリを利用することで、子どもたちが自分で考える時間が増えています」と述べ、ICTを活用して問題解決能力を育む方針を示しています。また、通信大手のソフトバンクは今春より「AIスマートコーチforスクール」というアプリの運用を開始しました。このアプリは筑波大学などの専門機関と協力して開発され、縄跳びやマット運動、鉄棒などの動画や解説を見ることができるほか、自身の動きを撮影してお手本にどれだけ近いかを数値化して診断することも可能です。

ICTで体育の「苦手意識」を解消!楽しく学べる授業を目指して

2019年度に行われたスポーツ庁の調査によると、体育の授業を「嫌い」と答えた子どもは、小学生から中学生に進級する際に約2倍に増加していることがわかりました。同社は、運動が上手くできない経験の積み重ねが体育嫌いの増加に影響していると分析しています。阿部飛雄馬氏は、「アプリでは、各自のレベルに応じた課題に挑戦できるので、成功体験を積むことで体育の授業を『楽しい』と感じてもらいたい」と述べています。また、この取り組みは、全科目を担当することが多い小学校教員の負担軽減にもつながると期待されています。

ICT活用が進む体育教育?課題と今後の展望

ICTの活用が体育の現場にも広がりつつある一方で、いくつかの課題も浮かび上がっています。桐蔭横浜大学の佐藤豊教授(スポーツ教育学)は2021年、文部科学省の委託を受けて全国的な保健体育におけるICT活用状況を調査しました。この調査には学校の教員や自治体の教育行政関係者約7,600人が回答し、56%が保健体育でICTを利用していると回答しました。しかし、具体的な活用法については「動画撮影にとどまるケースが多く、体育専用のソフトやアプリを導入している例は少ない」と佐藤教授は指摘します。また、導入に際しては個人情報保護などのセキュリティ面での課題もあるといいます。

ICT活用を支える通信環境の整備が急務。体育施設でのWi-Fi導入状況は?

調査では、Wi-Fiなどの通信環境についても確認が行われました。教室内では約97%が接続可能と回答した一方で、体育館では約75%、運動場やグラウンドでは23%にまで接続率が低下していることがわかりました。佐藤教授は、アプリの機能を十分に活用するためには、体育施設における通信環境の整備が必要不可欠であると考えています。