小学校の地域クラブのスポーツや、中学高校での部活動について、少子化の影響のため、全国で人数不足のチームが増えているそうです。そんな中、近隣の学校同士で合同チームを作る動きが増えています。
合同チームは3種類ある
日本中学校体育連盟によると、2001~2019年にかけて部活動に加入する生徒は約64万人も減ってしまったそうです。そのため合同チームを結成する学校が増えているとのこと。
合同チームの形は3種類あり、「合併型」「合流型」「補充型」となっています。
合併型:野球なら9人、サッカーなら11人と人数が集まらない学校同士で結成。
合流型:学校単独で人数は満たしていますが、その学校に混ざって練習や試合に参加する。
補充型:単独では人数が満たない学校が、満たしている学校から不足の人数を補う。
デメリットを懸念して規制する自治体も
「合流型」は意図的に強いチームを作れてしまう懸念があります。また、「補充型」は、貸し出す側の選手は普段は自分の学校で練習を行うため、合同チームという意識が薄れてしまいます。
このような理由から、自治体によっては規制するところもあるようです。
進む少子化のなか、規制が緩和される動きも多い
朝日新聞の調査によると、47都道府県のうち、42連盟が合流型を認め、21連盟が補充型を認めていたとのことです。
また、当初よりも趣旨が良く理解されており、悪用されることもないとのことです。
人数が足りない学校の試合への出場機会を保証するためにも柔軟に運営していかなくてはなりません。また現場からは、なかなか出場機会の得られない1年生が経験を積むことができた、とメリットも挙がったそうです。
少子化が進む自治体では、原則「2校」という規制を無くしたり、市や群を超えてのチーム編成も可能になっているようです。
「規制緩和」と「勝利至上主義」の間に挟まれ、依然警戒感は残る
制度的には素晴らしいものですが、乱用されたり悪用されたりするケースもあるため、依然警戒感は残ります。
柔軟に合同チームが結成できれば、子どもたちには、試合に出る機会が増えたりするため、緩和は求められるでしょう。
しかし一方で強い生徒だけを集めようとし、勝利至上主義に走ろうとするチームも出てくるかもしれません。
また、合同チームの広域化もいいのですが、学校が終わった後の移動手段や、練習時間の確保なども課題となっているようです。