2020年夏、新型コロナの影響で、戦後初めて夏の高校野球選手権大会が中止となりました。
たまたまその時に高校球児だった、というだけで夢を奪われた彼ら。その悔しさを晴らすために元球児たちが手作りの甲子園大会を開催したのを知っていますか?これこそたくさん写真に収めて後世に伝えたい出来事です。
保護者にとっては、まさか幻に終わった子供の晴れ姿が見られるなんて思ってもみなかったのでは?
たくさん写真に収めたのではないでしょうか。
(2023年11月30日(木)朝日新聞朝刊を参考にしています。)
目次
その日は約700人が集まった!
2023年11月29日、呼びかけに応じて全国から45校42チーム、約700人が集まり、手作りの「甲子園大会」が開かれました。
夢にまで見た甲子園。彼らは一歩一歩その土を踏みしめました。
午前中は交代でシートノックや投球練習などを行い、午後にブラスバンドが演奏する夏の甲子園と同じ曲に合わせて、南から北の順で入場行進を行いました。
選手宣誓は、静岡県の聖隷クリストファーOBの大橋琉也さん(21歳)。
「新型コロナによって様々な苦しみを受けた人々の力になれるよう一投一打に思いを込めたい」と力強く宣誓したそうです。
ユニフォームに袖を通すのは3年ぶり、というOBたち
大阪市関大北陽OBの坂本壮梧さん(20歳)は、3年ぶりにユニフォームに袖を通し、甲子園の打席に立つと、興奮して身震いがしたそうです。
まさか再びユニフォームを着てチームメイトと野球ができるとは思わなかった・・・そんな幸せを、改めてかみしめたのでしょう。
この日は結果は重要ではない!
一般的に甲子園での対戦は一度負けたら敗退。しかしこの日は、勝った負けたはどうでもいいのです。全ての瞬間が思い出に残るためにある、そんな思いを全員が掲げて参加したのではないでしょうか。
2020年は県独自の大会が多く開催され・・・
2020年は多くの各都道府県で独自の大会の開催がされました。
上記の大阪府の関大北陽も、もちろん独自大会に参加。
2020年のある日、チームメイトは監督に一人ずつ呼ばれたそうです。
「独自大会の開催について、全力で参加するか、楽しんで終わるか、自分達で決めてほしい」という趣旨。
坂本さんはもちろん「全力で勝ちに行きたい」と答えたそうです。
このまま引退したら不完全燃焼で終わってしまいます。だから絶対に本気で臨みたいと。なんとチームメイトは全員同じ考えだったそうです。それだけ野球に対する思いは真剣だったのでしょう。
雨天により、日程変更の影響が出てしまい、決勝戦は開かれなかったとのこと。結局、関大北陽と履正社の2校がその年の大阪府の頂点に決まり、幕を閉じたとのことでした。
まさか3年後に有志で大会が開催されるとは!
2020年の時点で、まさか4年越しに有志が集まって甲子園で野球ができるとは思わなかったでしょう。
勇気を出して呼びかけた元甲子園球児の方たちに敬意を表したいですね。